第54期第2回月例会 「企業不正と公認会計士の倫理」
2026年11月4日(水)、第54期第2回月例会「サステナビリティ、インパクトと企業価値」を開催しました。
従来の制度対応にとどまらない「公認会計士の新たな活躍フィールドをいち早く先取りできる回」として、皆様にご参加いただきました。
最大のメッセージは、「サステナビリティやインパクトは、単なる法対応や『綺麗な価値観(Values)』の話ではなく、創出した『社会的価値』を将来の『経済的価値』へ接続し、真の企業価値(Value)を創り出す極めて財務的なテーマである」ということです。
第一線で活躍する2名の専門家をお招きし、この「ValuesからValueへの転換」において会計士が果たすべき新たな役割について、懇親会の場も含め熱い議論が交わされました。
講演ハイライト:社会的価値を「企業価値」に翻訳する会計士の真価
鶴野氏:環境危機の現実と、BSの概念を拡張する新領域
環境面における「現状のままで本当に良いのか」という切実な問題提起がなされました。地球の再生速度を超えた資源消費(日本でも地球2.8個分相当)や、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)の9要素中7要素がすでに危機的状況にある現実を踏まえ、サステナビリティ課題は地球、企業の存続基盤に関わる「経営課題」であることが強調されました。その上で、自然資本をバランスシートに反映させる「Nature on the Balance Sheet」の世界的な動向や、AIガバナンスにおける信頼性保証など、会計士の新たな主戦場が示されました。
五十嵐氏:インパクト会計の実践と、財務諸表の外にある価値の可視化
財務諸表・サステナ情報・未表現の社会価値という「3層の価値構造」の整理から、財務諸表に載らない価値を金銭換算して統合する「インパクト会計」の具体論が展開されました。「測らなければ意思決定に反映されない」という原則のもと、社会へのインパクトを「量×価値係数(バリューファクター)」で数値化する手法を解説。医薬品の無償提供(財務上は費用だが莫大な社会的価値を創出)や、人的資本におけるダイバーシティ等の事例が紹介されました。特に、都合の良いプラス面だけでなくマイナスの影響も隠さず内訳を開示する姿勢の重要性と、それが将来のキャッシュフローや資本コストを通じて企業価値に跳ね返ってくる構造が示されました。
総括:AI時代における会計士の職能アップデートと無限の可能性
両氏の講演を通じて浮き彫りになったのは、AI時代だからこそ際立つ公認会計士の専門性です。 インパクト算定やデータ突合のAI自動化が進むからこそ、「測定範囲や重要性の判断」「因果関係と前提条件の妥当性検証」「エビデンスと内部統制の確保」、そして「企業価値向上に向けた経営者・投資家との対話」といった人間にしかできない領域で、会計士が果たすべき役割はますます大きくなります。
まさに、公認会計士の次なる活躍フィールドの広がりを確信できる充実した回となりました。
ご参加いただいた皆様、貴重な知見をご提供いただいた登壇者の皆様、誠にありがとうございました。
PS:新たな世界に一緒に取り組むお仲間も募集中とのことです。
数年後には当たり前になる可能性のある世界を先取りしてみるのも公認会計士ならではかもしれません。
ご参加いただきました皆様
改めまして、ありがとうございました。
このご縁がきっかけとなり、次につながることを願っております。

次回は2026年12月7日です。ぜひまたご参加ください!



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